![]() 常務取締役 島村正人 |
航空電子技報を発行するに当り、一言ご挨拶を申し上げます。 昨年は米国に端を発した急激な金融不安とそれに伴う「100年に一度の不況」とも言われる景気後退に見舞われ、特に製造業に於いては雇用問題にまで波及し、その回復が未だ見えていない状況が続いています。このような状況の中にあっては企業の生き残りをかけた様々な取り組みがなされ、真の競争力を問い直す機会でもあるのではないでしょうか。過去の石油ショックを経験した後、日本企業のエネルギー効率は格段に向上し製品に於いても競争力に繋がってきていました。今回の景気後退に於いても、これを乗り越えていくことで新たな競争力に繋げていくことが、今後の発展に向け重要なのではないでしょうか。 当社は昨年一部組織改正を行い、従来の中央研究所も商品開発センターとして新たなスタートを切りました。組織改正に伴い開発テーマの見直しを進める中で改めて製造メーカとしての「ものづくり技術」と「材料技術」の重要性を認識させられた次第です。 当社ではこの春に電波暗室を新設し高速伝送に対する更なる技術開発に向けて取り組みを強化すると共に、「材料技術」強化の一環として材料分析に対する取り組みを強化し、お客さまのご要求にお応えし、更なる品質向上に向けた技術力向上に努めてまいります。 今回の技報では技術紹介として商品開発センターから、精密加工技術の分野でガスクラスターイオンビームを用いた材料表面の平坦化技術、更にはそれによる新たな効果に対する取り組みや、ナノ粒子による新しい機能創出に対する取り組みを紹介しております。コネクタ関連では耐ノイズ性や高速伝送特性を向上させた高周波用コネクタの紹介2件、実装時の熱履歴に対する品質面での解析等、コネクタ市場における高密度化、高速化、高信頼などの要求にお応えすべく市場動向に即した開発内容を紹介しております。航機事業関連では人工衛星で使用されるファイバオプティックジャイロの宇宙環境下での課題に対する取り組みや、無人探査機に採用された慣性航法装置の開発等、宇宙や深海と言った特殊環境下で使用される機器の紹介と共に、今後電動化が進む自動車に使用されるモータの回転角センサの開発など当社として比較的新しい取り組みについて紹介しております。製品紹介としては携帯機器などへの展開が期待されている静電センサやカメラなどにご使用いただいているカーソルホイール、振動計測用加速度計、そして最近のコネクタ新製品のご紹介をさせていただいております。 最後になりましたが、今回の技報をご高覧頂き、ご意見、ご指導を賜りますと同時に、当社が取り組んでおります技術開発に対しご支援を賜りますようお願い申し上げます。 | |
常務取締役 島村 正人 | ||
